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エマルジョン樹脂塗料の開発

 新しい機能性塗料の開発/基板材料、エマルジョン樹脂

  塗料用エマルジョン樹脂の開発
 水系璧料の無公害化や溶剤系塗料の水性化が求められているなかで.筆行らが取り組んでいる塗料系エマルジョン樹脂の中で,今後の進展が期待される環境対応M低VOC塗料用エマルジョン,2液常温反応破化Mエマルジョン.ハイソリッド型単層弾性川エマルジョンの開発状況について解説した。 ・ ・ ・ 樹脂塗料

序論:
 環境間題が人咳全体の重要テーマとなっているなかで,光化学スモッグの原囚物質のlつである揮発性有機物覧(volatile organic Compound,VOC)は,その対策が強く求められている.自動車と並ぶVOC主要発生源であるt料については,脱溶剤化の流れが本格化しており,水性.粉体,UV,ハイソリッド化への移行の動きが強まっている,その中でも水系塗料.特に分散媒が水であり,しかも生産.ll程中に溶剤の使川を必要としないエマルジョン塗料への期待が高まっている。 しかし一方では.水系塗料と言っても.“完令無公害”ではないとい.た視点から,エマルジョン塗料が使用されている分野においても,従来よりもより安全性が高く.環境に優しいエマルジョン塗料の登場が期待されている.その中で,エマルジョン塗料の主要原料であるエマルジョン椿丿脂が果たすべき役割は大きい。本縞では,水系塗料の無公害化および溶剤系塗料の水性化といったテーマの中で,筆占・らが取り組んでいるエマルジョン樹脂について。2,3紹介したい。
     環境対応型低VOC塗料用 = エマルジョン樹脂
 環暗に関するもっとも身近な話9としては,室内での健康障害の問題かある。’シックハウス症候群|や|新築伺 と,。4われる健康障害の土要因’が,塗料や接着剤に含まれる抑発性有機物貿(VOC)にあることが指拗されている。 エマルジョン塗料は,VOCに関しては,溶剤系塗料と比較すれば圧倒的に低濃度であると言えるが,それでも建築塗料においては,敏%のVOCを合んでいる。
   日本塗料工業会(日塗工)では,昨年4月,室内用建築塗料に使川されるエマルジョン塗料に対しては,塗料中の総VOCを1%以下にするなど附界的にも厳しい目標基準を殴定した。その内容を表1に示す。今回の基準は口主的な目標ということではあるが,将来的にはさらにその範幽の拡大や,より具体的なガイドラインが作成されるものと考えられる。

 エマルジ・ン塗料を室内で塗裟した場合,臭気問廼jや健康陣害の問題を引き起こす可能性のあるものとしては,VOCの遺膜助刑や凍結防止剤に加えて,ホルムアルデヒドやその誘導体,さらに,樹脂中にごく微量含まれる未反応モノマー類や中和制のアンモニア,アミン類などがあげられる。以下に。これらの化合物低減化に向けての収り組み内容を述べる。エマルジョン塗料でバインダーとして働くエマルジョン樹脂は,ポリマー粒子問の融着によって皮膜を形成し,その4畿能を発押するので,成」匯可能な展低温度。いわゆる最低迪膜温度(MFT)はもっとも重要な枠比値のlつである。川迩に応じてポリマーのガラス転移温度(T.)を調整するが,通常の乳化重合で得られるエマルジョン樹脂のMFTは。一般的にはポリマー7',と近い値を示す。塗装環境温度よりも商いMFTの樹脂を用いた場合には,十分成膜することができないし。一方,低MFTの樹脂を使用した場合には,成膜性は良くなるが,塗膜にべたつきが発生し汚れやすくなる欠点があったり,耐久性能に問題がある。そのため,汎用のエマルジョン塗料は,通常。ポリマー7'。の高いエマルジgン樹脂を用い,VOCとしてカウントされる造眼助剤によってMFTを下げる方法で塗科設計される。筆者らは。エマルジョン塗料のVOC低減化に対しては。堪本的には造膜助剤を使川しなくてもト分な硬度と低温迭膜性を有するエマルジョン樹脂の開発が必要であると認識しており。

① ポリマー成分と低ボリマー成分を有する不均質粒子設計ぐポリマーブレンド。コアーシェ
   ル重合型エマルジョン)で高粒子MFTのエマルジョン樹脂をつくる,
② 反応性希釈溶剤・反応性造膜助剤を利用して成肢後高分子・酸化させる。などの方法を
  検討している。 ポイントとなる成膜状態は,エマルジョン皮膜や塗膜の物性からも推測されるが,もづと直接的には,原子間力顕微鏡(ΛFM)を川いることによって。容易に観察することができる。図1には,従来型建築塗料用エマルジョンで遊民助剤未添加物(a),添加物(b),前述①の方法で作成した造膜助剤未添加のエマルジョン樹脂(c)の皮膜のAFM写
真を示した。F成膜温度より高いMFTを示すエマルジョン樹脂は,粒子間の融着が1'分には行われていないことがわかる。ぞのような場合,造膜助剤の添加が有効であることが(axb)の写真から明白である。
  一方、ポリマーASは20℃であるが。透膜助剤未添加でも,0℃で成膜するように設計されている向のエマルジョン樹脂は。均質乳化重合法で合成された圓のエマルジョン樹脂と比較して,緻密に皮膜形成が行われていることがわかる。(c)のエマルジョン樹脂を使用した塗料は,造膜助剤未添加でも,エマルジョン樹脂同様,低温時(3℃)の造膜性は良好であり。塗料の低VOC化への可能性が見出された。 エマルジョン塗料の中で造限助剤以外の主要VOCとしては,冬場保管侍に塗料の凍結防止のために使用されるエチレングリコールやプロピレングリコールなどのグリニール煩があげられる。VOC低減化のためには,凍結防止剤天添加で凍結しにくく,また凍結した場合でも暖めれば元に戻り使用司能な仕組みを塗料設計の中に組み込む必要がある。この場合,エマルジョン樹脂,顔料分散剤,増/S粘剤,消泡剤などが低温での安定性に人きな影響;を及ぼすことが予測されるが、エマルジョン樹脂の設言十場面では,粒子襄面の保設方法に工夫をずる必要があろう.すなわち,乳化剤やボリマー幅の酸基,中和剤などの選択が低温貯蔵安定性の向上には堕要な因子となる。筆者らが間発した最低造膜方法(MPT)が20℃以下で,タック感の少ないエマルジョン樹脂は、峨料化時に遺膜助剤や凍結防止剤を用いなくとも,合成樹脂エマルジョンペイントのJIS K-5GG3を満足する諸物性(耐水性.耐アルカリ性,耐洗浄性など)に合格する.表2に室内用フラットペイントの配合処方例を示す。 遊説助剤や凍結防1L剤以外のものでは,樹脂中の微量硬化成分エマルジョン塗料の臭気,健康問題に関与しているので十分な配慮が必要となってきている 
  エマルジョン樹脂は.アクリル酸エチル.アクリル酸ブチルやアクリル酸エチルヘキシルなどのアクリル系モノマーやメタクリル酸メチル,スチレン,酢酸ビニルなどのモノマーを乳化重合することによって得られるが,ごく微量のモノマーが未反心で残留する場合がある。乳化咀むに使川する重き開始剤については,その分解物が樹脂中に含まれるので臭気の原因となる。乳化剤についても。そのもの自体に臭気がある場・むの他に乳化剤中の溶剤による臭気も無現できない。 また,輦料川途に使川されるエマルジョンは,頗料との混和安定性や塗料化時の機械的安定性の向上のため,pllを7以上に調整する場合が多いが、PH調整剤として用いられるアンモニアやアミン類もQ気発生の原因となる。ホルムアルデヒド(ホルマリン)やその誘導体は、樹脂の原料や防腐剤として最終樹脂に混入する場合がある。繊維関係などに使用されるエマルジョン樹脂については。従来から安全衛生に関する厳しい規制があったが,塗料分野においても今回,日峻工が厳しい目標基準(襄1)を設定したので,今後は,ノンホルマリン化が急速に進行するものと思われる。樹脂中の揮散成分低減aニには。乳化重合の反応条件,開始剤分解物,歿埴の除去方法,乳化剤,pH調整剤。防腐剤などの最適化が重昏であると考える。これらの臭気発生源対策を行ったエマルジョンの押発成分のガスクロマトグラフ結果を図2に示す。逝常に乳化重合を行ったエマルジョン(a)と比較して,対流を施したヱマルジz,ン(b)は揮発成分の残留:atが著しく低臓していることがわかる。環境保全や安全・衛生・快適さといった観点から低VOC・低臭化のニーズは急速に高まることが予想される。
  ●液常温反応硬化型
 エマルジョン樹脂溶剤型のアクリルウレタン塗料は,常温の架橋系の分子ではもっとも安定した性能が得られることから,自動車補修,建築外装,瓦塗装など,広範囲の塗装分野で使川されている。このポリイソシアネート常温硬化システムを水系でも構築しようという試みが行われている。架橋モデルを示す。元来。溶剤系塵料で使用しているポリイソシアネートは水分や湿気を嫌う。すなわち,水や湿気が存在すると副反応を行い,容易に尿素結合を形成する。その際。炭酸ガス発生によるぼ上がり外観不良やま膜の架橋密度の低ドによる耐候性不良などを引き起こしやすい。このような理由で,イソシアネート架橋システムを水系に導入することは考えにくかった。 履近になって,水系でも使用可能なボリイソシアネートが開発された。イソシアネートを保護する工夫により,一定時間水中でボリイソシアネートの活性を縦持しようとするもので,水分敞性を有することを特徴とする。このタイプの水分散型ボリイソシアネートは,イソシアネート骨格に親水践を導入する構造により分散力を付'・j・したもの,乳化剤を混合することにより分散力を付与したもの,水分散型ボリオールを乳化分散剤として使用したものなどが主として研呪されている。また,Fボリイソシアネートそのものについても。水分との反応を抑制し.l級水酸基のポリオール樹脂との反心性を商めるため。溶剤系で川いられる芳書族ポリイソシアネートよりは脂肋族やM環族系のものを使用するl万夫などが行われている。 ボリイソシアネー-トの進腱を契機に,水系2液常胤厦応破化システムの研究も盛んになっており。水酸基含有アクリル系エマルジョンや水溶性ポリマーについても隙々の研究゜jが行われている。
  2液反応硬化システムはI液型と比較して架限密度の高度化が容易であることから,耐溶剤性、耐水佻などの請物性を向hさせやすい。建築外装分野などでは耐候搾向トが期待されるが、エマルジョン樹脂を用いた架橋系では,皮膜中で架橋反応で生じたウレタン結合は,元のエマルジョン粒子の界面付近に局在化しており,溶剤系2液型アクリルーウレタン樹脂を使川した場合のように均質にポリマー鎖問で架橋した緻密な塗膜にはなっていない。それでも,元来,エマルジョン樹脂は溶剤系樹脂と比較すれば,個々のポリマー分子は,圧倒的に高分子最化しているので,粒子界而の架橋でも耐候性向上の効果は人きいものと予測される。架橋システムの導入により,光沢保持率の著しい改善効巣が観察された。これは,高度に架橋された塗膜は。低吸水性,低感温性になり,水や熱を主要閃とする劣化が抑制されたことによるものと考えられる。羅者らは,エマルジョン粒子中にアクリル樹脂成分とウレタン樹脂成分を含付するウレタンーアクリル接合エマルジョンに水酸基を導入することで,上記架橋システムの特徴である耐溶剤性,耐候性に加えて,ウレタン樹脂が有する低胤伸度,強靭性などの特徴をも保持する樹脂を開発した。
   このエマルジョンと水性ポリイソシアネートの架橋モデルを図6に示す。この系の特徴は,100nm程度のエマルジョン粒子内部に架橋性を有するウレタン樹脂成分を含有するため,塗膜全体にウレタン樹脂成分を均質に含有した架橋塗膜が得られる点にある。ウレタン樹脂成分の導入で。耐溶剤性に加えて,低温伸度や強靭性に優れた塗膜を得ることが可能になった。 このエマルジョン樹脂を使川した際の皮膜物性および塗装物性を表3および表4に示す。2液常温反応硬化型はl液型と比較して,取り扱いに煩雑さはあるものの,高度に架橘した塗膜を得ることが容易であるがゆえに,耐候性,耐溶剤性,耐摩耗性,柔軟性,強籾性が求められる塗料分野へ?の展開か期待される。ハイソリッド型単層弾性用エマルジョン溶剤系塗料と水系塗料とは塗装性,塗膜物性で種々の相違点が観察されるが,塗装時の大きな差児の1つに乾燥性がある。水系や料の溶媒の主成分は水であるので,蒸発潜熱が大きく。溶剤系塗料と比較すると乾燥性が非常に遅い。また,溶剤糸塗料と比較し。水系塗料の構成成分は水分との親和性が高いため,塗装時や塗装後の乾燥初期に降雨にみまわれると塗膜が流れ落ちるといったケ-スも発生する。
  このような問題に対処するため。 トラブルや工期の短縮化が図れ,塗装時における天候の影響を最小限にできる水系の即乾性塗料の出現が待たれていた。乾燥性を速くする技術はエマルジョン樹脂を主体に収り上げると,バイングー成分の高濃度化による塗料の高濃度化,粒子表層部の乳化剤や糾水生カルボキシル基のコントロールによるポリマーの疎水化,エマルジョン粒子のイオン的相互作川(カチオン/アニオン)利用による軟凝集化,メタノール,エタノールなどの低沸点溶剤添㈲による水分蒸尭速度の促進化などがあげられる。ここではエマルジョン樹脂の商濃度化による乾燥速度の向上について述べる。

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塗料を塗るとき、塗膜が完成する完全乾燥、固化の即効性、速乾性は塗料業界の要求でした。
エマルジョン樹脂の可能性について述べています。
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